第6話「ピンチには必ずメシアが現れるものさ」
【刈谷 後編】
ヒッチハイカー千葉さんと別れてからもしばらくは難航していた。
車に乗ってる方へ直談判しに行くも冷たい目で断られたり、歳の近い女性に声を話を聞いてもらうも方向が違ったり、ネームを下げたもっぱら仕事中の方へ声をかけてしまったり…
人はいないが6組くらいには断られたんだろうか…
そしてまた千葉さんと落ち合う(笑)
お互い「やばいです」と再確認し別れる(笑)
( スケブの行き先を変えるか、アピール手法を変えるか、もっと違う方法か…もう一度よく考え直した方がいいか )
暑さで蒸発しかけた脳をさらに回転させようとしたその時
「何してるのこんなところで」
\\ メシア(救世主)が現れた。//
その時の気持ちといったら
「マテマテ。マテ。……はい!食べていいよ!!」と言われようやくごはんに食らいつくような犬くらいの喜びだった。
女一人でヒッチハイクをしていること、東京から来て奈良を目指してることなどバッと話したところ「とりあえず暑いから中入ろう」と場所を変えることに。
( ドキドキ。)
すると「何か飲もう」と、美味しそ〜〜〜なゼリー入りスタバ系ドリンコをご馳走していただく。(私の渇ききった脳みそが潤った瞬間。)
そしてなにより、拾って欲しいのは間違いないことだが、人と話せたことがとにかく嬉しかった。ダムが決壊したようにあーだこーだ伝えたいことを話し、自己アピールをした。
「できるかできないかじゃないとおもうんですよ!!やるかやらないかです!(キラッ)」
「いや、よく分からない(笑)」
って言われたのが個人的にツボ。(笑)
真剣に、時々笑って聞いてくださっていた。
まるで面接官の様に冷静で、どこか心配するお父さんのような優しさで、それだけでとても素敵な人だとすぐに分かった。
( ちなみにこのおじさま。かつてお酒を飲んでお金が無くなった時にヒッチハイクをして帰ったことがあったそうで、それだけで私と同じマインド?!と、とてつもなく嬉しかった。)
マシンガントークを聞きつつも
「ちょうど会議が【湾岸長島PA】であるから、PAから下道に降りれるなら乗せてあげる」
と言われ、ないシッポをぱたぱたと振りながら急いでGoogle mapを開く。
様子では行けそうだったが
「でもまぁ、時間があるからいいよ」と承諾。
\\ありがとうございます!!!(泣)//
きっといままでで一番本気で、自分をプレゼンした瞬間だったと思う。
このくらい本気ですよ!
熱い気持ちでやってますよ!
私面白いですよ!
こんな私どうですか!みたいな感じ(笑)
そして記念撮影パシャり♪
超お気に入り写真。笑
そして白くて大きなカッコいい車に乗せてもらいいよいよ【湾岸長島PA】へ。
( 刈谷…。長い戦いだったが、嫌いになれないくらい思い出深いエリアだったぜありがとう…ドヤ)
道中
「これだけは熱く語れるものってある?」と聞かれる。
何故アニメと答えなかったんだろうかと後悔をする…(笑)
その時はビジネス本ハマってるって言っただろうか…。
いまアニメでハマってるのは、シュタゲゼロ、進撃の巨人、ブラッククローバー、レイトンあたり。
どんな話が飛んでくるかわからないのもヒッチハイクの醍醐味。
大事なのは、名古屋は飛ばしちゃダメ、ゼッタイ。ということ。
アレコレ話しているうちに目的地に着く。
いつも乗せてもらうとあっという間で、感謝を伝えきれない気がしてしまう。
「話をよくよく聞いてくださって、本当にありがとうございました。ヒッチハイク娘、頑張ります。無事に奈良に着いてみせますからね!!」
つづく。